ボイストレーニング動画比較──ボイストレーニング論その十二

ボイストレーニング論第十二回です。前回の教本比較に引き続き、今回は、インターネットにあるボイストレーニング動画を比較考察します。批判的な内容が多くなりますが、動画を全否定しているわけではないことは前回と同じです。

今回は掲載している動画が多いので、読みこみが遅くなると思われます。少しお待ちください。

※ボイストレーニング論は全十五回です。「裏声を練習すればミドルボイスが身につく?」「ミドルボイスって地声? 裏声?」「ミドルボイスの音源が聞きたい」そんな方はぜひお読みください(全記事一覧は、カテゴリ「ボイストレーニング」か、記事「ボイストレーニング論」参照)。

※当ボイストレーニング論では「地声」「裏声」×「チェストボイス」「ミドルボイス」「ヘッドボイス」の2×3=6「声区」論を提唱しており、それを前提に論を展開しています。詳しくは第三回第四回第五回をご覧ください。

ボイストレーニング論その十二の要旨

  • ボイストレーニング教本と同様、誤った説明をしている動画が極めて多い。
  • 「地声」と「裏声」の「換声点」を滑らかに移動する練習をする動画が多い。これは、古典的なボイストレーニング理論「スピーチ・レベル・シンギング(Speech Level Singing)」、略称「SLS」がそうした練習方法を推奨しているからである。
  • 「換声点」を滑らかに移動する練習方法では、「ミドルボイス(地声)」「ヘッドボイス(地声)」を出せるようにはならない。「地声」と「裏声」の切り替えが上手になるだけである。

目次

弓場徹

弓場徹といえば『声美人・歌上手になる奇跡のボイストレーニングBOOK』などの教本が有名ですが、YouTubeで動画公開もされています(YUBA TV)。

YUBAメソッドについては前回触れましたが、もう一度繰り返しておくと、YUBAメソッドで身につくのは「ミドルボイス(裏声)」であり、「ミドルボイス(地声)」「ヘッドボイス(地声)」ではありません。ですので、合唱で綺麗な「裏声」を身につけたいとかいう人にはよいかもしれませんが、HR/HMの「ミドルボイス(地声)」を身につけたいという人には向かないメソッドです。

桜田ヒロキ

著作は出版されていないようですが、弓場徹氏や高田三郎氏・DAISAKU氏などと並んで、日本人ボイストレーナーとしては有名な方だと思います。

アメリカで「Speech Level Singing(SLS)」を学んだ後、より科学的に検証された「Vocology in Practice(VIP)」メソッドを学び、現在ではVIPメソッドを元にボイストレーニングをされています。ちなみに、このVIPメソッドというのは、デイヴ・ストラウド(Dave Stroud)という有名なボイストレーナーを中心として考案されたものだそうです。

彼はスタジオやブログなどで精力的に活動されていますが、今回はYouTubeに投稿された動画を見てみましょう。

5:17以降、音階練習をされています。6:16以降は、「地声」と「裏声」の「換声点」を滑らかに移動する練習をされています。

第五回第十一回でたびたび指摘してきたことですが、「声区」の融合には二つの意味があります。

  1. 声帯の振動形態を維持した状態で、違和感なく「声区」を移動できること
  2. 声帯が振動形態の異なる状態へと、違和感なく「声区」を移動できること

「地声」と「裏声」は声帯の振動形態が異なるので、2番の意味での融合はできますが、1番の意味での融合は不可能です。ですから、上の動画のような「地声」「裏声」の「換声点」を移動する練習は、2番の意味での融合には役立ちますが、1番の意味での融合には何の役にも立ちません。

もちろん、桜田氏のボイストレーニングが全く役に立たないというわけではありません。ただ、桜田氏のボイストレーニングを受ける方は、「ミドルボイス(地声)」「ヘッドボイス(地声)」を発声できるようになりたい人が多いと思われますが、そういうことができるようにはならない、というだけの話です。

桜田氏とDAISAKU氏のもう一つの共通点に、説明と音源が食い違っている、というのがあります。

桜田氏はヘッドボイス VS ファルセットという記事にて、「ヘッドボイス」の例として平井堅やToshI(X Japan)、パヴァロッティなどを挙げています。また、「ファルセットとチェスト・ボイスはミックスはできない」と書かれています。

この説明は正しいのですが、以下の動画の9:00で桜田氏が「ヘッドボイス」として出している声は、明らかに「ヘッドボイス(裏声)」であって、「ヘッドボイス(地声)」ではありません。共鳴を高めているから息漏れが分かりにくいだけです。The Stylistics「愛がすべて( I Can’t Give You Anything But My Love)」などと同じ、芯のある「裏声」ですね。

ちなみに、桜田氏本人は「ミドルボイス(地声)」「ヘッドボイス(地声)」を発声できるのでしょうか。別の動画を見てみましょう。

5:12から、C4(mid2C)~G4(mid2G)を発声されています。G4(mid2G)は「ヘッドボイス」だとおっしゃっていますが、これは「裏声」という意味ですね。私は「ミドルボイス(裏声)」と呼ぶのが正確だと思いますが、これはまあ用語の違いです。

先ほどの動画に戻りましょう。5:25から「ミックス」とおっしゃっていますが、大して変わっていません。G4(mid2G)は「裏声」のままです。「ヘッドボイス(裏声)」のときに比べると共鳴を高めているので、息漏れが分かりにくくなっていますが、これは「裏声」です。前回紹介したDAISAKU氏と同じパターンですね。

これを見たとき、桜田氏も、「ミドルボイス(地声)」を出せているつもりで出せない人なのではないかと思ったのですが、そうでもないようです。以下の動画の3:47以降を見ると、(多少苦しげですが)「ミドルボイス(地声)」を発声できているからです。

「チェストボイス(地声)」張り上げという可能性も考えましたが、「チェストボイス(地声)」張り上げでC#5(hiC#)を発声できる男性は皆無だと思われるので、「ミドルボイス(地声)」でしょう。

桜田氏ご自身は「ミドルボイス(地声)」を発声できるようですが、桜田氏の練習方法で「ミドルボイス(地声)」が身につくかというと疑問です。

Nov

「AION(アイオン)」というヘヴィメタルバンドのボーカルを担当されているNov氏が、ボイストレーニング講座をされています。

ボイストレーニング理論の前に、まず、Nov氏の「愛をとりもどせ」のカバーをお聞きください。

お聞きになると分かるかと思いますが、Nov氏は、非常に力強い「チェストボイス(地声)」寄りの「ミドルボイス(地声)」を出す人で、遠藤正明に近いタイプです。田中昌之のような「ヘッドボイス(地声)」寄りの「ミドルボイス(地声)」とは真逆ですね。

ただ、Nov氏の声は非常に荒々しいというか、グロウルのような力みが常に入っています。X JapanのToshIなどもかなり力む傾向があるので、それと似ています。あと、デーモン小暮などは、「ミドルボイス(地声)」は非常に綺麗ですが、「ヘッドボイス(地声)」になると急に力みが入って荒い声になるので、彼とも似ているかもしれません。

私はAIONに詳しくありませんが、他の曲を聞くと、こういう力んだ歌い方はNov氏の特徴のようです。まあ、メタルではそういう歌い方もありますし、構わないのですが。

Nov氏の歌唱力について見たところで、ようやくボイストレーニングに入ります。Nov氏のボイストレーニング動画がニコニコ動画にアップロードされています。

【ニコニコ動画】AION NOVのレッスン

1:50「ファルセットを強くしていく」「ファルセットで叫んでいく」とあるように、Nov氏のボイストレーニングは、まず「ファルセット(裏声)」から入るようです。それは普通のボイストレーニングと同じですが、「強くしていく」「叫んでいく」というのが特徴ですね。

Nov氏が2:13以降でデモンストレーションをされているので、順番に見てゆきます。

2:13
ここは普通の、若干息漏れのある「ファルセット(裏声)」です。
2:27
ここも「ファルセット(裏声)」。少し息漏れが減りました。
2:32
「ファルセット(裏声)」ですが、力みを入れて声量を上げたのと、声帯を過剰に閉鎖していることにより、荒い声になっています。
2:38
ここで「ミドルボイス(地声)」になりました。ただ、かなり叫んでいます。

この練習方法で「ミドルボイス(地声)」「ヘッドボイス(地声)」を発声できるようになる人もいるかもしれませんが、かなり危険な方法だと思います。

まず、2:32から2:38に行くときに「ファルセット(裏声)」から「ミドルボイス(地声)」に移行していますが、これは、「ミドルボイス(地声)」を元々発声できる人ができることです。発声できない人の場合、単に「ファルセット(裏声)」が強くなって、2:32の「ファルセット(裏声)」の延長線上にしかならない可能性が高い。

あと、この方法で「ミドルボイス(地声)」を身につけると、非常に力んだ「ミドルボイス(地声)」を発声することになります。それがよいなら構いませんが、「ベル・カント唱法」や様式美メタルで使われるような美しい「ミドルボイス(地声)」を身につけたい人には不向きでしょう。

もちろん、練習をこなせば、きれいな「ミドルボイス(地声)」も出せるようになるのかもしれません。事実、Nov氏は4:00で、A4(hiA)の音程を綺麗な「ミドルボイス(地声)」で出せています。ただ、4:10のB4(hiB)が力みぎみなことからも分かるように、力みの癖は抜けないと思います。

ちなみに、4:10以降の「ミドルボイス(地声)」ですが、これは「ヘッドボイス(地声)」ではなく、「ミドルボイス(地声)」の張り上げだと思われます。第七回の「ミドルボイス(地声)の張り上げ」で紹介したToshIと同じパターンです。

Gackt

Gacktはボイストレーナーではないのですが、ボイストレーニングについて言及している動画があったので紹介します。

1:30から、チューナーによって声の音程(ピッチ)を測定し、正確な音程で歌えるように練習することをGacktは助言します。

この練習方法自体は間違っていませんが、質問者に対する助言にはなっていません。質問者は「声の幅が狭い」(0:07)といっているのであって、「音程が正確にならない」といっているわけではないからです。質問者が「声の幅」を広げたいなら、「ミドルボイス(地声)」や「ヘッドボイス(地声)」を身につける必要がありますが、それはチューナーによる音程測定では身につきません。

ただ、Gacktはいいこともいっています。5:04「やれば必ず結果が出るっていう自信」とか。これはボイストレーニングとは直接関係のないことですが。

広瀬香美

「ロマンスの神様」で有名な広瀬香美氏がボイストレーニング指導をされています。

広瀬香美は、(後述の)セス・リッグスのSLSメソッドの指導を受けていたそうです。そのため、「ミドルボイス」や「ミックスボイス」といった用語にお詳しいようです。


そんな広瀬氏ですが、どんなボイストレーニングをされているのか。

動画やブロマガを見ると、広瀬氏は「ミドルボイス」とか「ミックスボイス」といった用語を使っておられないようです。一般人には馴染みのない用語なので、あえて使っておられないのかもしれません。

ボイストレーニング記事として参考になりそうなのは、以下の動画でしょうか。「ヴィブラート」を身につけるための動画です。

7:02で、喉でかける「ヴィブラート」の実演をされており、これはよくない例だと指摘されています。この「喉でかける」の意味がよく分からないのですが、広瀬氏の様子を動画で見る限り、若干顎を揺らしつつ、喉の筋肉を揺らしながらかけている感じでしょうか。

9:48からは、「ヴィブラート」を身につけるため、「ハフハフ犬発声」という練習方法を提唱されています。これは、スタッカートのように声を歯切れよく発声することによって「ヴィブラート」をかけるというものでしょう。

第八回でも説明しましたが、私は「ヴィブラート」がある日突然かかるようになったので、この広瀬氏のやり方が正しいのか、どうすれば「ヴィブラート」が身につくのか説明できません。皆様が様々な方法をお試しする以外にないでしょう。

山本大樹

山本大樹氏はiwatamaボイストレーニングスクールの講師だそうです。YouTubeにて動画を公開されています。

動画の1:30で、「裏声にエッジボイスを混ぜていきます」というアドバイスがされています。「エッジボイスを混ぜる」という言葉の意味が私にはよく分からないのですが、推測するに、二つの意味があります。

第一に、エッジボイスによって声帯閉鎖を強化し、「裏声」から「ミドルボイス」に移行しようという意味。この手の声帯閉鎖強化メソッドがフースラー『うたうこと』に基づく嘘であること、声帯閉鎖をしたところで「強化ファルセット」にしかならないことは、第十一回第十四回で指摘した通りです。

第二に、エッジボイスによって声にシャウトやディストーションを加え、「地声」のような太さを確保しようという意味。これは、上述のNov氏と同じ試みですが、これを「裏声」でやったところで、出せるのは強い「裏声」だけです。

第五回で説明しましたが、エッジボイスとは、声帯の「閉鎖筋」を硬直させて振動を止め、「声帯靭帯」がぶつかるようにし、ぶつかる音を鳴らすテクニックです。

なぜエッジボイスが「裏声」発声に役立つかといえば、「声唇」の振動を止め、「声帯靭帯」だけを振動させることができるので、「裏声」が発声しやすい声帯になるからです。しかし、「ミドルボイス(地声)」では「声唇」と「声帯靭帯」の両方が振動しているのですから、エッジボイスをいくらやったところで、「ミドルボイス(地声)」を出せるようにはなりません。

「裏声にエッジボイスを混ぜると地声になる」という嘘は、山本氏の動画に限らず色々なところで蔓延しています。ボイストレーニング理論は、こういった嘘と決別すべき時期に来ているのではないでしょうか。

林康子

これまでの動画とは毛色の違うものをご紹介します。聖徳大学の音楽学部演奏学科声楽コースのレッスン動画です。

林康子氏はオペラのソプラノ歌手で、プッチーニの「蝶々夫人」の蝶々夫人役を演じられたことで有名です。その林氏が、聖徳大学の学生にレッスンをしておられます。

ただ、この動画は音質が悪い上に字幕もついていないので、大変に分かりづらい。録音の問題であって林氏に責任はないのですが、この動画を見るよりは、(後述の)バーバラ・ボニー(Barbara Bonney)のレッスン動画を見たほうが分かりやすいかと思います。

鋼兵

ニコニコ動画では「鋼兵」という方が「歌い手」として活動されているらしいのですが、その方がボイストレーニングに関する動画やDVDを作っておられるようです。今まで「歌い手」については極力取り上げずに来たのですが、ボイストレーニング動画であれば取り上げる価値もあるかと思い、今回扱います。

今回取り上げるのは、鋼式「5分で出来るハイトーンシャウト習得講座」という動画です。

私は鋼兵という方の歌を詳しく存じませんが、この動画を視聴した限り、恐らく鋼兵氏の高音は「ミドルボイス(裏声)」「ヘッドボイス(裏声)」でしょう。ただ、「裏声」ならではの息漏れを、声帯の強い閉鎖によって目立ちにくくしているように思われます。動画の6:46や7:03・7:07あたりで低い音から高い音に上がってゆくデモンストレーションがありますが、「地声」から「裏声」に切り替わっているのが分かりやすいでしょう(第十三回のれみぼいすの練習音源も参照)。

2:20で鋼兵氏のハイトーンを聞くことができますが、これは、以下の動画のケンシロウの物真似(0:20~)とよく似ています(この動画については、一般人のボイストレーニング動画で後述します)。ケンシロウの物真似も「裏声」ですから、鋼兵氏の声もほぼ「裏声」と見て間違いないでしょう。

鋼氏の動画に戻りましょう。3:16からボイストレーニングのやり方が説明されています。まとめると以下の通りです。

  1. 鼻から声を出す(3:24)
  2. 「裏声」でゆっくり「か」と発音する(4:24)
  3. 上顎と舌で息をせき止めた後、「裏声」を出す(5:20)

私が思うに、このやり方の1番はDAISAKU氏の鼻腔共鳴と、2番と3番はNov氏の声を荒げる発声法と似ています。その二つをあわせたのが鋼兵氏のボイストレーニング方法と思われます。

別に「ミドルボイス(裏声)」が悪いわけではありませんし、「ハイトーン」が出せるという意味では間違っていない練習方法です。ただ、これをやったから「ミドルボイス(地声)」「ヘッドボイス(地声)」が出せるようになると思わないほうがよいでしょう。あと、この手の発声方法は、HR/HMならありかもしれませんが、通常の歌謡曲や演歌などでは不自然すぎて使えません。そこも留意しましょう。

セス・リッグス(Seth Riggs)

ボイストレーニング界隈の第一人者です。

  • マイケル・ジャクソンやスティーヴィー・ワンダーやマドンナにボイストレーニング指導を行った。
  • 「スピーチ・レベル・シンギング(Speech Level Singing)」、略称「SLS」と呼ばれるボイストレーニング理論を考案した

と、絢爛な経歴の持ち主です。Singing for the Starsという本も書かれています。

マイケル・ジャクソンにボイストレーニングをしていたというのは本当のようで、その様子の動画が存在しています。

0:07以降でリップロール、1:25以降で各母音による音階練習がされています。様々なボイストレーニングに受け継がれている有名な練習方法です。

余談ですが、マイケル・ジャクソンのリップロールの音階練習を聞くと、リップロールのときは声が裏返っているのですね。歌声では「チェストボイス(地声)」と「ミドルボイス(地声)」が見事に融合しているマイケルですが、その彼でさえ、リップロールでは融合が解除される、ということでしょうか。

SLSは「ベル・カント唱法」を元に考案されたボイストレーニングのようで、セス・リッグス自身も、「ベル・カント唱法」の用語を使っています。

2:57で「ペット」「テスタ」と述べておられますが、これは「ベル・カント唱法」における「ヴォーチェ・デ・ペット(胸声)」「ヴォーチェ・デ・テスタ(頭声)」のことです(詳しくは第六回第十一回参照)。

SLSは、後述のケン・タンプリンなどから批判を浴びていますが、私は、「ミドルボイス(地声)」や「ヘッドボイス(地声)」を既に発声できる人にとってはよい練習方法なのではないか、と考えています。

逆にいうと、「ミドルボイス(地声)」や「ヘッドボイス(地声)」を身につけることが目的でSLSを学んでも、役に立ちません。音階練習や「地声」と「裏声」の切り替えをいくら練習しようと、「ミドルボイス(地声)」や「ヘッドボイス(地声)」を出せるようにはならないからです。

ブレット・マニング(Brett Manning)

この方も、アメリカで有名なボイストレーナーです。セス・リッグスのSLSを学び、現在では「Singing Success」というメソッドを考案されています。

ブレット・マニングの練習方法は、基本的にはSLSや桜田氏と同じです。「ヘッドボイス(裏声)」を出せるようにした後は、「チェストボイス(地声)」と「ヘッドボイス(裏声」の音階練習をして、「換声点」を移動できるようにするというものです。

1:45で、「エッジボイス(ボーカルフライ)」で「芯のある裏声」を出した後、3:37以降は音階練習です。3:54や4:00を聞けば分かりますが、ブレット・マニング氏の出す高音は「ヘッドボイス(裏声)」です。これは、後述のエリック・アルセノーなどにも共通しています。

ただ、以下の動画の0:40や1:00、1:15を見ると、ブレット・マニング氏は「ホイッスルボイス」が出せるようなので、「ミドルボイス(地声)」を出せないにしても、声帯が柔軟であることは間違いないようです。

なお、ブレット・マニング氏がクイーンの「ボヘミアン・ラプソディー(Bohemian Rhapsody)」をカバーされた動画があります。ケン・タンプリン・ボーカル・アカデミー | Facebookでは、「これが教えている人の実力だと、生徒さんが可哀想です」と酷評しています。

エリック・アルセノー(Eric Arceneaux)

SLS(Speech Level Singing)メソッドに基づいてボイストレーニングを指導している方の一人です。

日本だと、ニコニコ動画上に日本語字幕つきの動画がアップロードされており、「エリック兄」と親しまれています。

【ニコニコ動画】【ボイトレ】ウォームアップ編その1(out of 4)~呼吸準備

【ボイトレ】ウォームアップ編その2~声域を開放させる準備運動の1:57を聞くと分かりますが、エリック・アルセノー氏のいう「ヘッドボイス」というのは、「芯のある裏声」のことです。「ミドルボイス(地声)」や「ヘッドボイス(地声)」ではありません。「ヘッドボイス」=「芯のある声」と、桜田氏らと同じ誤解をしています。

0:06では「芯のない裏声」、0:55や2:39や2:52で「芯のある裏声」を使い分けられており、大したものですが、「裏声」であることに変わりはありません。エリック氏は、基本的に高音は「裏声」で発声しています。

ただ、「ミドルボイス(地声)」が出せないからといって、それが悪いわけではありません。「ミドルボイス(地声)」がなくとも、エリック氏の歌唱力は見事なものだと思いますし、ボイストレーニングにもためになるものは色々あるからです。

デイヴ・ストラウド(Dave Stroud)

桜田ヒロキ氏が参考にされている「Vocology in Practice(VIP)」メソッドの考案者であり、ご自身もボイストレーナーでいらっしゃいます。

エスミー・デンターズ(Esmée Denters)という歌手にボイストレーニング指導をしている動画です。

これを見る限り、音階の発声練習をしたり、「マ」の発声練習をしたりと、ほとんどSLSやブレット・マニングの練習方法と変わらない気がするのですが……。他の動画があまりないので、詳しくは分かりませんが。

ケン・タンプリン(Ken Tamplin)

日本のボイストレーニング界隈ではまだ有名になっていないように思われますが、私が注目しているボイストレーナーです。

0:06は「ヘッドボイス(裏声)」、0:11は「ミドルボイス(地声)」ですが、彼の高い発声能力が窺えます。ちなみに、この動画の続きがKen’s Vocal Trainingからご覧になれます(ボイストレーニングの現場も見られます)。

彼はボイストレーナーには珍しく、自身が歌った動画をたくさんアップロードされています。

フレディ・マーキュリー、ロニー・ジェイムス・ディオ、マイケル・ジャクソン、ロバート・プラントetc.と、様々な有名歌手が歌った曲をカバーされています。しかも、カバー元の歌手の歌い方を見事に身につけているのですから、大したものです。

この人のおもしろいところは、セス・リッグスやブレット・マニングが唱えるSLSをばっさり批判しているところです。

五つの点を挙げて、SLSを批判されています(文章に起こされたものもあるので、英語のヒアリングの苦手な方は、Speech Level Singing (SLS) does NOT workをお読みください)。ケン・タンプリン・ボーカル・アカデミー | Facebookでは、ブレット・マニングの歌も批判しています。

バーバラ・ボニー(Barbara Bonney)

バーバラ・ボニーは、ポップスではなくオペラのソプラノ歌手です。ですので、今まで紹介したポップスのボイストレーナーと違って、「ベル・カント唱法」が主体となります。

彼女のボイストレーニング動画は、YouTubeの「声楽レッスン」「Barbara Bonney lesson」シリーズで視聴できます。

断片的にしかあげられていない上、聴講生向けのレッスンを撮影したものなので、これを参考にボイストレーニングをするのは難しい。ただ、プロのオペラ歌手の指導を見ることができるという意味で、とてもおもしろい動画です。

一般人のボイストレーニング動画

ここまではプロのボイストレーナーの動画ばかり紹介してきたので、ここでは、一般人(?)が投稿したボイストレーニング動画をいくつか取り上げます。

ケンシロウの叫び声に着目して「ミドルボイス(地声)」を練習するという方法ですが、残念ながら、ケンシロウの叫び声自体が「裏声」なのです。北斗の拳 ケンシロウの声優を全比較の0:45を聞くと分かりますが、神谷明氏の「アタタタタ」は「裏声」なのです(それが悪いわけではありません)。

動画に戻ると、この動画は、「ミドルボイス(裏声)」を息漏れ少な目に出してはいますが、あくまで「裏声」であって、「地声」ではありません。

あと、0:45「ミックスボイスの喉の動き」とありますが、「ミックスボイスの声帯」というならともかく、「ミックスボイスの喉の動き」という言葉の意味が私には分かりません。

これは一般人の動画の中で、かなり完成度の高い「ヘッドボイス(地声)」を発声できている動画です。ただ、「ヘッドボイス(地声)」を発声できない人が練習するには不向きの動画ですね。

一般人の上手な例で、もう一つ。

この中村素也という方は、コピーバンドでボーカル活動をされているらしいのですが、素晴らしい「ミドルボイス(地声)」「ヘッドボイス(地声)」を出しておられます。

別の動画では「愛をとりもどせ」の高音パートを歌っており、田中昌之ばりの「ヘッドボイス(地声)」を披露されていましたが、今ではその動画を閲覧できません。残念なことです。

ここまで、ボイストレーニング動画を色々と紹介してきました。他にも紹介したい動画は多いのですが、これぐらいにしておきます。

動画を見てきて、「地声」と「裏声」の「換声点」を滑らかに移動する練習をする動画が多いと感じられたのではないでしょうか。SLSがそういう練習方法をとっていますし、分かりやすい練習方法ですから、それが普及するのも分かりますが、その方法では「ミドルボイス(地声)」「ヘッドボイス(地声)」を出せるようにはなりません。これは、今まで何度も書いてきたことです。

次回は、ボイストレーニングのWebサイトについて比較考察を行います。

補足: 一般人向け・プロ向けのボイストレーナーの役割について

ここまで読まれた方は、「プロのボイストレーナーでも、ミドルボイス(地声)を出せない人が多いのか? ボイストレーナーは役に立たないのか?」と思われたかもしれません。しかし、一概にそうともいえません。

確かに、「ミドルボイス(地声)」を発声できないようなボイストレーナーが、「ミドルボイス(地声)」を発声できるように指導することは難しいでしょう。「ミドルボイス(地声)」というものについて、根本的に誤解している恐れがあるからです。前述のケン・タンプリンは、自分が発声できもしないボイストレーナーが指導することを手厳しく批判しています。

私はケン・タンプリンに、基本的には賛成します。「ミドルボイス(地声)」を発声したい人は、「ミドルボイス(地声)」を発声できるボイストレーナーにつくべきです。

ただ、すべてのボイストレーナーが「ミドルボイス(地声)」を発声できるべきかというと、必ずしもそうではないと思います。もちろん、発声できれば望ましいのですが、プロのボイストレーナーにおいては、「ミドルボイス(地声)」を発声できない人でも構わないのではないか。理由は二つあります。

第一に、プロと一般人のボイストレーニングとは違うということ。プロの歌手となれば、「ミドルボイス(地声)」を発声できて当然ですから、「ミドルボイス(地声)」を身につけるためのトレーニングなど受けません。プロがトレーニングを受けるのは、正しい呼吸法や姿勢・発音、あるいは音程の正確さといったものでしょう。

つまり、プロのボイストレーニングにおいては、「ミドルボイス(地声)」を教えることがないのだから、ボイストレーナーが発声できなくても特に問題はないのです。それに、高レベルのプロの歌手になればなるほど、その歌手の実力を上回るボイストレーナーを用意することは難しくなりますから、多少発声が劣るのはやむをえないでしょう。

第二に、プロのボイストレーニングは、技術論だけでなくメンタルトレーニングも含まれていること。

プロともなれば、基本的な技術は身についているのですから、歌手のメンタルが問題となる。そんなとき、彼のメンタルをケアしてくれるのがボイストレーナーというわけです。

これを理解するために、以下の動画をご覧いただくのがよろしいかと思います。

「今夜も築地テラスで」という番組です。フリーアナウンサー小倉淳と、元クリスタルキングの田中雅之が出演されています。

ちなみにこの動画は、104分と相当に長いのですが、随所におもしろい話が出てきます。特におもしろいのは、

8:00
クリスタルキング結成・デビュー時の話
35:45
アニソンに関する話
42:16
「愛をとりもどせ」の話
46:52
喉のケア、草野球の事故の話
51:18
メンタルの話

あたりです。特に、「愛をとりもどせ」はむかつきながら歌っていたという話は、当時の田中の心境が窺えます。

54:12あたりから、田中のメンタルコーチが蔵本天外という人に変わり、田中のメンタルを変えてくれた、という話が出てきます。

もちろん、蔵本天外はメンタルコーチであって、ボイストレーナーではありません。ただ、プロのボイストレーナーというのは、こういうメンタルコーチ的な側面も大きいと考えています。単なる「ミドルボイス(地声)」云々の技術論ではなく、歌手のメンタルを上手く働かせてやることが仕事なのです。

ですから、私が今まで批判してきたボイストレーナーたちは、決して無能なわけではないと思います。彼らの中には「ミドルボイス(地声)」を発声できない人もいますが、その分、歌手のメンタルトレーニングやカウンセリングができるのですから、それでボイストレーナーとしての職分を果たしているのでしょう。それすらできない無能なボイストレーナーもいるかもしれませんが……。

話をまとめると、

  • 一般人向けのボイストレーナーと、プロ向けのボイストレーナーとでは、求められる役割が異なる。
  • プロ向けのボイストレーナーは、「ミドルボイス(地声)」を出せなくても問題ない。が、一般人向けのボイストレーナーは、「ミドルボイス(地声)」を出せなくてはならない。

ということです。

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ボイストレーニング動画比較──ボイストレーニング論その十二」への7件のフィードバック

  1. いつも参考にさせて頂いています。お忙しいところ失礼します。
    この記事を見る限り注目しているのがケンとのことですが、それはどこを評価しているのでしょうか?様々なアーティストの歌い方ができるからでしょうか?それとも彼が動画で教えている指導法、練習法がよかったということなのでしょうか?もしそうであれば動画の参考URLなど教えて欲しいです。ケンの所の文章が少なくどこを評価しているのか気になったので質問させて頂きました。

    • > コニー様
      いつもコメントありがとうございます。
      この記事を書いた時点で、私がケン・タンプリンに注目している理由は以下の2つでした。

      1. 「ミドルボイス(地声)」「ヘッドボイス(地声)」を発声できる上でボイストレーニングの指導をしている点
      2. SLSのボイストレーニング方法を批判している点

      ご指摘された様々なアーティストの歌い方ができる点は、大変素晴らしいとは思っていますが、ボイストレーナーとしては特に評価していません(歌い方が優れているのは、あくまでアーティストとして優れているということですので)。

      率直にいいますと、私はケンの記事をまだ読み終えてはいませんし、彼の意見に全面賛成したわけでもありません。
      ただ、「ミドルボイス(裏声)」を出して「ミドルボイス(地声)」と主張したり、「地声」と「裏声」の「声区」融合を目指したりするボイストレーナーが多い中で、ケンのようなボイストレーナーがいることは大変貴重ですので、彼に注目しています。
      特に、ボイストレーニングにおいて一種の権威となっているSLSをばっさり批判している点は、(私から仲間扱いされるとケンは迷惑かもしれませんが)親近感を覚えます。

      ケン・タンプリンについては、日本のボイストレーニングサイトやブログで本格的に取り上げているところは少ないようですので、いつか「語り部のほとりで」で取り上げたいと考えています。

      • なるほどまだ調査中ということですね。
        実は私はケンの教材?を1年前に購入しました。
        私自身も彼の発声の素晴らしさ、当時SLSに通っていて違和感を感じていた時に彼のSLSをばっさり切る動画を見て興味を持ち購入いたしました。
        SLS在学中、私が疑問に思ったのはケンも言っている通りヘッドボイス(裏声)に入るのが早過ぎる、歌声の練習でなくあれは話し声としてデザインされたものでロックでは通用しないのではないかなどです。
        しかし、教材を早速試してみると不思議な事にSLSと同じスケール練習いわゆるチェスト(地声)→ミドル→(裏声)→ヘッド(裏声)の練習ばかりでした。
        一通り教材を終えて思ったことは
        ミドル(地声)の練習は非常に少なく、彼自身の中で発声は出来てもミドル(地声)とヘッド(地声)という概念はなく、
        あくまでSLSと同じ上記のスケール練習をして、彼が教えているグロータル・コンプレッションという(首の根元に力を入れて息の量を極限に少なくする)練習をした結果ミドル(地声)も出せるようになるといったものでした。
        グロータル・コンプレッションについては流星群がミドル練習法として記載している吸いながらの発声でイメージを掴むというのと近いものがあります。吸いながら発声した後にその発声を真似て発声する時は息の量は少なくなりますから。

        話を戻します。
        そして彼の教材のテキスト発声理論にはチェスト(地声)とヘッド(裏声)をいかに繋げるかしか書いておらず、ミドルヘッド(地声)という説明は一切記述されていませんでした。
        彼自身SLSをばっさり批判しているのにSLSと練習はさほど変わっていないと感じました。
        流星群さんがスケール練習は意味ないと仰っていたので最近は何が何だか分からなくなっています。
        駄文失礼しました。追加記事に期待します。

      • > コニー様
        ケン・タンプリンの教材に関する情報をありがとうございます。
        私自身はケンのボイストレーニングを受けたことはありませんし、教材を見たこともありませんので、以下はあくまでコニー様の投稿内容を読んでの感想となります。

        彼が教えているグロータル・コンプレッションという(首の根元に力を入れて息の量を極限に少なくする)練習をした結果ミドル(地声)も出せるようになるといったものでした。
        ケンのいいたいことは何となく理解できます。
        ただ、このやり方は、「声帯の閉鎖を強化して息漏れを減らし、ミドルボイス(地声)を発声する」とかなり近いので、教え方によってはSLSと同じものになりかねませんね。
        ケンのいいたいことは別のことなのかもしれませんが。

        流星群さんがスケール練習は意味ないと仰っていたので最近は何が何だか分からなくなっています。
        正確にいえば、「地声と裏声の声区を融合させるためにスケール練習をするならば、全く意味はない」ということですね。
        記事でも散々書いていますが、「地声」と「裏声」の行き来を練習したところで、「声区」が融合することはありませんので。

        ケンがスケール練習を推奨する意図によりますが、「地声」と「裏声」の融合を意図して行うならば、SLS同様に全く意味がないと思います。
        歌のために正確な音程を発声できる練習ということであれば、意味はあるでしょうが。

  2. >>流星群様
    ケンのスケール練習はチェスト(地声)とヘッド(裏声)の声区融合ですね。
    ただSLSとの相違点は「可能なまでチェストで歌ってからヘッドに繋ぐ」と説明しています。
    この可能なまでチェストで歌うがミドル(地声)を鍛えるトレーニングなのかもしれません。
    あとはミドル(地声)から下降するスケール練習もあります。

    このようにミドル(地声)の見本・練習が少しあるのですが、実際の彼の発声理論の中にはいかにチェスト(地声)→ヘッド(裏声)をうまく繋げるかしかなく、ミドル(地声)、ヘッド(地声)の概念がないように思いました。
    これが中々問題で・・・練習中ケンのスケール音源を聴いてると明らかにこれミドル(地声)だよな?と思うことがあってもケンはミドル(裏声)と説明しているのでかなり混乱してきます。

    そしてこれはイチャモンと捉えて欲しくはないのですが
    発声理論は私は今まで色々な本、サイト、動画を見てきましたがどれも納得いってませんでした。
    ですが流星群さんのサイトを見てあ!これだ!と思いました。
    私自身このサイトに出会うまで、ミックスボイスってなんだよ地声と裏声は混ざらないだろ、ミドル、ヘッドは全部裏声か?ロックで使われているあの高音は地声な気がするなど多数疑問を持っていました。

    そしてこのサイトで合点がいったのです。
    しかし、最近ボイトレをしていたりアーティストの音源を聴いているとミックスボイス(地声と裏声の声区融合)はあるんじゃないかと思い始めています。

    混ざるなんてことはありえないと今でも思ってますが歌っていると本当にどっちか分からない音が出ますし、アーティストでもどちらとも取れない音を出している人がいます。

    これは流星群さんも説明してるように裏声に閉鎖を強めたり、共鳴させて地声に似せてるだけと最初は思いましたが、事はそんな簡単なことではないと最近思っています。

    だったらミックスボイスってなんだと言われるとぐうの音も出ないので完全にいちゃもんみたいになってしまったのですが(笑)折角なので書かせていただきました。駄文失礼しました。いつも返信してくれてありがとう

    • > コニー様

      練習中ケンのスケール音源を聴いてると明らかにこれミドル(地声)だよな?と思うことがあってもケンはミドル(裏声)と説明しているのでかなり混乱してきます。

      客観的に聴くと「地声」でも本人は「裏声」の感覚で歌っている、ということはありうるので、説明は話半分で聞いておいたほうがよいかと思います。

      これはイチャモンと捉えて欲しくはないのですが

      私とて自分のボイストレーニング論が完成形とは考えていませんし、これを元にさらなる発展をすべきだと考えているので、批判は全く構いません。

      歌っていると本当にどっちか分からない音が出ますし、アーティストでもどちらとも取れない音を出している人がいます。

      後者については、できれば音源を提示していただけると議論がしやすいですね。

  3. 桜田氏の「鱗」の動画についてあの歌唱は上手いと思われますか?

    これがSLSの完成形だとしたら問題だと思うくらい薄っぺらく聴こえますが。

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