宮城道雄「春の海」を聞く

正月らしい話題で、正月の定番曲「春の海」について書きましょう。

といっても、「春の海」の作曲背景やモチーフについては、Wikipediaニコニコ大百科に説明があるので、今更私が書くまでもないでしょう。

また、作曲者の宮城道雄についても、ニコニコ大百科に記事を書いたことがありますので、詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。

そこで、今回は「春の海」の実際の演奏について書きましょう。

音源を聞く

まず、「春の海」という曲について。正月にはBGMとして流れることしばしばですが、聞いたことがあるのは有名な前奏だけで、全編を通して聞いたことはない、という方は多いのではありませんか?

そういう方は、ぜひ「春の海」の音源を探して、全編を聞いてみてください。音源はCDやYouTubeやニコニコ動画にあります。ここでは、YouTubeとニコニコ動画の音源の中で、特に再生数の多いものを挙げておきましょう。

YouTubeの「春の海」
春の海(Haru No Umi) 宮城道雄
ニコニコ動画の「春の海」
【お正月】宮城道雄 – 春の海【あの曲】

どちらでも構いませんので、音源を開いてお聞きください。

音源を聞く参考までに、曲の構成を説明しておきます。「春の海」は箏(注1)・尺八という伝統的な邦楽器を使った楽曲ですが、西洋音楽に多大な影響を受けた楽曲であり、ABA’の「三部形式」からなる楽曲です。上の二つの音源でいうと、以下の表の通りです。

音源/三部形式 A B A’(コーダ含む)
YouTube音源 0:01~1:55 1:58~5:10 5:11~7:35
ニコニコ動画音源 0:00~1:32 1:32~4:18 4:18~6:07

細かくいうと、曲の最高潮の箇所(YouTube音源だと2:50、ニコニコ動画音源だと2:17)とか、B末尾の箏独奏の箇所(YouTube音源だと4:52、ニコニコ動画音源だと4:01)とか、色々聞きどころはありますが、最初に聞くときはあまり気にしなくてもよいでしょう。

動画の再生時間を比較してみると、ずいぶん違うことがお分かりかと思います。実際に両方をお聞きいただければ、テンポや音色に至るまで大きく違いがあることがお分かりいただけるはずです。

同じ楽曲でも演奏者によって演奏が大きく違うということは、(純邦楽に限らず)クラシックやポップスでもありがちなことであり、様々な演奏を聞き比べることを楽しみとする音楽ファンも多いでしょう。純邦楽においても、同じことがいえるわけです。

自作自演を聞く

上の二つの音源を聞いて、「春の海」の雰囲気を大まかに掴めた方は、以下の演奏をお聞きください。

YouTubeの「春の海」
春の海 宮城道雄自作自演
宮城道雄 Michio Miyagi(Koto),Renée Chemet(Vn)_”春の海 Haru no Umi”
ニコニコ動画の「春の海」
春の海(筝:宮城道雄 ヴァイオリン:ルネ・シュメー)

上の音源は、いずれも作曲者・宮城道雄本人が箏を弾いている演奏です(下の二つは音質に差がありますが、同じ演奏です)。一番上は、箏と尺八による合奏ですが、下二つは箏・ヴァイオリンによる合奏です。

特に着目したいのが、下の二つの音源です。これは、ルネ・シュメーというヴァイオリニストがヴァイオリンを弾いている演奏なのですが、この演奏によって、「春の海」は世界的に有名になったからです。

この箏・ヴァイオリンの合奏は、今までの演奏と比べると、かなり趣が違うのがお分かりになるかと思います。尺八とヴァイオリンとでは音色が違うということもありますが、同じ邦楽畑である尺八奏者と違い、ルネ・シュメーは西洋音楽畑の外国人ですから、演奏の解釈が相当に異なります。そして、それに相対する宮城道雄は、邦楽畑でありつつ西洋音楽にも手を広げた人間ですから、その二人が合奏する様というのはなかなかおもしろいものです。

「春の海」に興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、ぜひYouTubeやニコニコ動画で検索してみてください。これ以外にもたくさんの音源を発見できます。その中には、優れたものもあれば、劣ったものもあります。

また、これで宮城道雄という作曲家に関心を抱いた人は、「春の海」以外の楽曲を聞いてみるのもよいでしょう。西洋音楽的な「春の海」以外にも、伝統的な純邦楽の様式に則った曲や、純邦楽と西洋音楽を融合した曲など、様々な楽曲があります。ニコニコ大百科の「作品」の項あたりを参考にしてください。

注釈

  1. 「箏」という漢字を見慣れない方もいらっしゃるかもしれません。実は、「春の海」で使われるのは「箏」(そう)という楽器で、「琴」(こと・きん)とは全くの別物なのです。詳しく知りたい方は、琴とは (キンとは) [単語記事] – ニコニコ大百科をご覧ください。 本文に戻る
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